2007年06月28日

見えない恐怖。

見えない恐怖。

ミンチ肉の表示の事件はひどいですね。
良心のカケラも感じられません。


が、あの“牛肉を使わずに牛ミンチをつくるレシピ”を見て、
まったく別のものを思い出してしまいました。


それは添加物でつくる“肉”。クズ肉に「ゼリー状の液体」を注入し、ぷりっとしたハムにしたり、増粘剤でとろみをつけたりするものです。原材料は適正に表示されているので、法律に違反しているわけでもない。でも、そういうことに思いを馳せる人がどれほどいるか。


先日、雑誌に掲載されていた「甘みのあるポン酢」というのものを頼んでみました。サッパリしてほのかに甘みがあり、とても美味しくいただきました。「熟成した醤油を使い、甘みを出しました。砂糖は一切使っていません!」とででーんと謳ってあり、それはすごいなと思って裏返してみたら、何のこっちゃない、「果糖液糖」「ステビア(※甘味料)」がバッチリ入っている。確かに嘘ではないんだけれども、釈然としない思いが残りました。


みなさん「グルソー」って聞いたことありますかね?グルタミン酸ナトリウム、いわゆるうまみ成分で、「アジ○モト」のお味です。これはもうたいがいの食品には入っているのですが、こないだ、御茶屋さんと話していてビックリしたのは、なんと甘みを出すためにお茶にも入っているんだとか。


お茶つながりで言うと、夏に飲む麦茶。麦茶って、ほんとうはあんなに茶色くならないのだよねー。冷水でも簡単に“色”が出るように着色しているものが多いのです。


食というのは単に栄養をとるためのものだけではなく、楽しむものでもありますよね。お菓子はキレイな色がいいし、見栄えは良いほうがいい。何より美味しくないといけない。手軽さだって大事です。食品添加物を頭から否定するつもりもなければ、そういう立場にもない。私もコンビニがないと生きていけない時期もあったし、そこまでストイックや神経質になる必要はないと思うのです。ですが。


それにしても、あまりにも食べるという行為と、加工する・作るという行為の距離が、遠くなり過ぎたんじゃないかと思います。昔のように、真っ赤に着色された食品などは少なくなった一方で、「しかけ」はより巧妙になり、本物を見極めるのは難しくなったように思います。


見えない恐怖。
見えないだけに、恐ろしいなと思うのです。


例の社長が「安いものを求める消費者も悪い」と言ったのは、
彼の立場では口にしてはならないことですが、
否定することはできません。
消費者が判断力を身につけるしか、方法がないように思います。


Posted by たまお at 13:05│Comments(0)
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